エイジングシートを使って魚を発酵熟成をさせた発酵熟成熟鮮魚。
その魅力を、川崎北部市場で50年続く鮪の仲買を行っている合同会社泉力の代表社員 中岡康祐氏にお話を伺いました。
熟成させた魚の味わい
初めて発酵熟成魚のお話を伺ったときはオモシロイと思ってすぐに飛びつきました。
鮪は加熱したり加工したり色々な調理方法が開発されていますが、結局は刺身に戻ります。そして、基本的には冷凍をしない生のマグロが美味いと言われています。
熟成と新鮮は相反するイメージがありますが。それが逆にオモシロイと思ったんです。
初めて熟成マグロを食べてビックリしました。
本当に変化があって驚いたんです。
最初に見たときは上っ面を見て、だめだなって。使いものにならないって思いました。
ところが、切ってみたらおろしたてそのもの。
そして劇的に味わいにも変化がありました。
例えば、赤身に関して言うと鮪の味がさらに強く濃くなって鮪の濃縮した味わいを感じられるようになりました。
生臭さのような悪い部分はそんなに感じられなかったです。
養殖の鮪
その後、養殖の鮪の熟成にチャレンジしました。
養殖マグロ。やっぱり自分ではあんまり美味しいと思わないのです。
脂が臭くなってしまってどうしても養殖マグロ特有の養殖臭い感じがするんですね。
ところが、エイジングシートで熟成させることで不思議と養殖臭さがなくなったんです。
これが本当に驚きで、養殖の鮪でも熟成させることで美味しく食べれるんですよ。
まだまだ改良の余地があって研究開発中であることは間違いないのですが、養殖の鮪でもしっかり美味しくなってしまうエイジングシートには魅力を感じています。
エイジングシートについて
シートは魚体に巻いて3週間は保存が効きます。
温度帯は4度で生のまま保存ができて、氷も被せないで冷蔵庫に入れられる。
輸送を行うときはたいてい冷凍庫に入れていたマグロを冷蔵のまま輸送ができるんです。
今までは生食で足が速いから小さなロットでしか使えなかった部位も熟成させることで使いやすくなります。
多大美味しくなるだけでなくて、美味しくなって保存も効くのです。